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SONY α7, α9シリーズで使えるクリップオンストロボまとめ

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SONYのホットシューの規格がややこしくて、α7で使えるクリップオンストロボがよくわからなかったので調べてみた。

製品を調べる上であったほうがいい前知識

α7のホットシューについて

α7のホットシューは『マルチインターフェースシュー』と呼ばれ、ISO標準ホットシューとの物理的な互換性がある。要するに、他社の一眼レフ機などと「物理的には」同じ形状をしている。ストロボをマニュアル発光させるだけで良いなら、他社製のストロボでも何でも接続できるものは使える。

なお、(SONYに吸収される前の)Minoltaのカメラと、初期のαシリーズと、に採用されているホットシューは「オートロックアクセサリーシュー」という独自規格。

おおむね2013年より前の「αシリーズ用」と銘打たれた古い製品は、初期の頃のαシリーズ(オートロックアクセサリシュー採用機種)用のものと考えて問題ない。そのままではマルチインターフェースシューに取り付けられないので要注意。

なお、別途 ADP-MAA (オートロックアクセサリシュー を マルチインターフェースシューへ変換するアダプタ)を購入・使用すれば、オートロックアクセサリーシューのストロボを使うことが可能。

ソニー SONY シューアダプター ADP-AMA

ソニー SONY シューアダプター ADP-AMA

ADP-MAAは3,000円程度なので、オートロックシュー用のストロボが安く手に入る場合は、あえて購入するのもアリかもしれない。

SONY製カメラの調光方式について

オートでストロボの光量を調整する方式として、ADI方式と、P-TTL方式の2つがある。

  • ADI調光
    • フォーカスの距離情報とプリ発光による光量測定結果を組み合わせてフラッシュ発光量制御を行う方式。
    • 被写体の反射率にほとんど影響されない正確な調光ができる。
    • Minolta時代の調光方式(?)
  • P-TTL調光
    • プリ発光による光量測定結果だけでフラッシュ発光量制御を行う方式。
    • 被写体の反射による影響を受けやすい
    • 多くのメーカが採用している調光方式
    • 単にTTL調光方式と呼ばれていることも少なくない。

正直どっちかに対応していればオートでの撮影がある程度できる(と同時に、どっちの方式でも常に完璧にはオートで調光できるわけではない)ので、どっちでもいい気がする。

が、仕様表を見ると、最近のレンズは『ADI調光に対応していない』となっているので、P-TTL調光対応品を買うのが無難(ってどっちかだけ対応のストロボってあるの、って気はするけど)

クリップオンストロボまとめ

以下まとめ表における略語の意味は以下のとおり。

  • GN : ガイドナンバー (最大光量の指標)
  • HSS : ハイスピードシンクロ

オートでの調光(TTL またはADI)に対応したものをまとめた。

純正 SONY

全てマルチインターフェースシュー対応。防滴防塵対応品は、これら純正品のみ。

予算的に問題なければ、オススメ。

オフストロボをやりたくなったり、雨の中でも使いたくなったりなど、将来的に本格的に使いたくなったときでも流用が効く。

型番 価格 GN 防滴
防塵
ワイヤレス
発光
縦振り 横振り HSS
HVL-F20M 12,000 20
HVL-F32M 24,000 32
HVL-F43M 32,000 43
HVL-F45RM 33,000 43
HVL-F60M 51,000 60
HVL-F60RM 68,000 60

ただし、最廉価機種 HVL-F20Mは、機能の削減が多く、どうしても小型のフラッシュが欲しいという場合でなければ、積極的に選ぶメリットがない。なお、機能・光量には妥協せず、ある程度小型軽量なものが欲しいという場合なら、NISSINのi40が良さ気。

ソニー SONY フラッシュ HVL-F20M

ソニー SONY フラッシュ HVL-F20M

HVL-F32M以上であれば、とりあえずカジュアルに1灯で使う分には、困ることは無いと思う。

将来的に本格的なライティング(多灯ライティング)を考えている場合、HVL-F45RM、もしくはHVL-F60RMがオススメ。光量的にHVL-F60RMを選ぶのが間違いないかも。この2つは無線レシーバを内蔵しているため、無線を使ったワイヤレス制御を予算を抑えて導入することができる。

ソニー SONY  フラッシュ HVL-F45RM

ソニー SONY フラッシュ HVL-F45RM

NISSIN

マルチインターフェースシュー対応

型番 価格 GN 防滴
防塵
ワイヤレス
発光
縦振り 横振り HSS
Di700A 25,000 54
i40 23,000 40
i60A ? 60

Di700AはAir1との組み合わせで無線ワイヤレス可能。

i40は小型で良い感じの性能。純正のHVL-F20Mを買うなら、こちらの方がオススメ。

i60AはAir1と組み合わせてワイヤレスライティングが可能。

Metz

マルチインターフェースシュー用と、オートロックアクセサリシュー用のものとの2種類があるので購入時には注意。

型番 価格 GN 防滴
防塵
ワイヤレス
発光
縦振り 横振り HSS
MECABLITZ 64AF-1 digital 63,000 64
MECABLITZ 52AF-1 digital 34,000 52
MECABLITZ 44AF-1 digital 18,000 44

NEEWER / MEIKE

マルチインターフェースシューというか対応。TTL撮影可能(らしい)。

型番 価格 GN 防滴
防塵
ワイヤレス
発光
縦振り 横振り HSS
NW320 7,500 32
MK320 7,800 32

NW320もMK320もおそらく同一の品。

『とにかく安く、でも自動で調光はしてほしい』というならこれ。HVL-F20Mよりは使いでがある。

SIGMA

別途 ADP-MAA が必要。

型番 価格 GN 防滴
防塵
ワイヤレス
発光
縦振り 横振り HSS
EF-610 DG ST 16,000 61
EF-610 DG SUPER 23,000 61

安い。ADP-MAAの費用込みでも2万円を切るので、大光量がほしければあり?

SIGMA フラッシュ ELECTORONIC FLASH EF-610 DG SUPER ソニー用 ADI ガイドナンバー61 927356

SIGMA フラッシュ ELECTORONIC FLASH EF-610 DG SUPER ソニー用 ADI ガイドナンバー61 927356

SUNPACK

別途 ADP-MAA が必要。

型番 価格 GN 防滴
防塵
ワイヤレス
発光
縦振り 横振り HSS
PZ42X 11,000 42

安い。ADP-MAAの費用込みでもHVL-F20Mと変わらない。

バウンスさせられるストロボがほしいならあり?

その他

ISO標準ホットシューのストロボなら何でも光らせられるぜ!っていう話。

無線ワイヤレスのライティングシステムについて

SONY FA-WRC1MとFA-WRR1

USで発表されたワイヤレスコマンダー「FA-WRC1M」と、レシーバー「FA-WRR1」。

対応するフラッシュはHVL-F60M/F43M/F32Mのみ。最大15台・5グループを利用できる。

α7II以降のみ対応とのこと。

NISSIN Air1,Air10s

α7で無線ワイヤレスライティングを実現するなら、NISSINのAir1とDi700A, i60Aの組み合わせがTTLにも対応していて現実的。

NISSINの無線ワイヤレスライティングシステム(NAS)については仕組みがややこしかったので、別ページにまとめています。

sonymemo.hateblo.jp

cactus V6,V6IIS

手持ちのストロボを無線ワイヤレスに対応させることができる無線コマンダー兼レシーバ。

本体と、ストロボそれぞれに1つづつcactus V6/V6IIを取り付けて用いる。

マニュアル発光でよければ、Cactus V6を使うのも手。V6IISだとHSSに対応。

Cactus ワイヤレスライティングトランシーバーV6

Cactus ワイヤレスライティングトランシーバーV6

TL;DR (要約)

とにかく間違いのない選択をしたい場合

光量・機能性・防滴防塵対応、保証面など、他社製品に比べスキのない純正品がオススメ。

2017年末現在、なかでもHVL-F45RMがオススメ。

本格的に多灯ライティングをしたくなった場合でも、純正のワイヤレスコマンダーを追加することで可能になる。

1灯で良いのであれば、純正(SONY)の中級以上のストロボ HVL-F32M, HVL-F40M , HVL-F60Mがオススメ。

これらのストロボの場合でも、多灯ライティングをしたくなった場合は、純正のワイヤレスコマンダーと、ストロボにレシーバを追加することで可能になる。

本格的な撮影(多灯ライティング)をしたい場合

ワイヤレスコマンダーが発売されたので上記純正品でOK。ただし、それなりに費用が嵩む。

コストパフォーマンスを求めるのであれば、NISSINやCactusのストロボがオススメ。純正よりだいぶ手頃で、プロの利用実績も既にある*1

既に手持ちのストロボがある場合、CactusのV6と組み合わせるのが割安。こちらもプロの利用実績がある。

最近では、中華メーカながら実績を積みプロでも利用のあるGodoxが台頭してきている雰囲気。

多灯ライティング用のクリップオンストロボ選びについて、詳しくは下記記事にまとめた。

sonymemo.hateblo.jp

とにかく安くライティングしたい場合

ちょっと小物(テーブルフォト)を綺麗に撮りたい、バウンス撮影を体験してみたい、という程度であれば、

MK320-Sが、安い割にオート撮影対応&機能面(バウンス可能)でオススメ。 1万円アンダーではこれ一択だと思う。ただし、耐久性は不明、また一部機種で動作しなかったとの報告も見受けられる(ややバクチ)。

なお、とにかく安くしたい(マニュアル撮影でOK、ストロボの勉強や撮影の手間は惜しまない)という場合は、NEEWERから発売されているストロボが良いかも。3000円くらいからある。

安くて大量に用意できることもあり、趣味人(セミプロの方)が多灯ライティングに用いられている事例をググると見つけることができる。

*1:純正には無かった頃からワイヤレスコマンダーをラインナップしていたため